エコキュートがおすすめは本当?ガス給湯器との違いを解説
給湯器が古くなり、そろそろ買い換えを検討しているけどエコキュートかガス給湯器のどちらにするか迷っていませんか?
毎日の家事、お風呂など、生活の中でお湯を使う機会は多いです。だからこそ、どちらが本当におすすめなのか知りたいという方も多いと思います。
そこで、エコキュートとガス給湯器(今回はリンナイとノーリツのエコジョーズ)の違いを比較してみました。買い換える際の参考にしてください。
【エコキュートとガス給湯器の仕組みは?】
エコキュートとガス給湯器(エコジョーズ)の違いがよく分からないという方に向けて、簡単に両者の仕組みがどう違うかを解説します。
▼エコキュートの仕組み
エコキュートは電気によって「ヒートポンプユニット」「貯湯タンクユニット」の2つが働き、空気熱を利用してお湯を沸かす給湯器のことです。
ヒートポンプユニットに空気熱を取り込み、自然冷媒(CO₂)によって圧縮機まで運びます。圧縮されて約90℃になった空気熱を熱交換器に通し、水へ熱を伝えることでお湯に変換するのです。作られた約70~90℃のお湯は貯湯タンクユニット内に蓄えられます。
この動作は電気代の安い夜間帯に行われるため、エコキュートは省エネと言われるのです。
▼ガス給湯器(エコジョーズ)の仕組み
ガス給湯器(エコジョーズ)は、ガスで加熱する給湯器です。
二次熱交換器と呼ばれる部分で従来排出されていた排熱(約200℃)を使って水を温めます。その後、一次熱交換器でさらに加熱するだけです。エコキュートのように貯湯タンクはないため、お湯を使用するごとに給湯器が働きます。
【エコキュートとガス給湯器(エコジョーズ)の比較】
エコキュートとガス給湯器(エコジョーズ)を比較していきますが、ここではエコキュートは「パナソニックNSシリーズ360L(3~5人用)」を例に挙げます。
ガス給湯器(エコジョーズ)は、2大メーカーの「リンナイRUF-E2406シリーズ24号(4~5人用)」「ノーリツGT-C(P/V)2462AWX-2 BL24号(4~5人用)」です。
▼本体価格・設置にかかる初期費用
設備 | 本体・設置価格の目安 | ガス・電気の確保 |
エコキュート | 40~60万円 | 電源が必要 |
エコジョーズ(リンナイ) | 15~50万円 | ガスが必要 |
エコジョーズ(ノーリツ) | 15~50万円 | ガスが必要 |
初期費用に関してはエコキュートが高くなります。エコジョーズは本体のメーカー小売価格が40万前後でありながら、小売店の大幅割引によってグッと価格帯が下がっている印象が強いです。
ただエコジョーズはガスがなければ使えません。もし自宅にガスを引いていないのであれば、ガス配管工事費用が発生します。
▼光熱費などランニングコスト
設備 | 光熱費(年間)の目安 | 法定点検 |
エコキュート | 23,000円 | - |
エコジョーズ(リンナイ) | 120,000円 | 9500円(使用9~11年内) |
エコジョーズ(ノーリツ) | 120,000円 | 9500円(使用9~11年内) |
エコジョーズは特定保守製品のため法定点検が必要です。家庭用エコジョーズの点検期間は、設計上の標準使用期間(10年)の前後1年以内に実施するよう点検通知があります。
▼耐用年数(寿命)
設備 | メーカー設計上の標準使用期間 |
エコキュート | 10~15年 |
エコジョーズ(リンナイ) | 10年 |
エコジョーズ(ノーリツ) | 10年 |
エコジョーズは両社ともカタログなどに「設計標準使用期間は10年」と記されています。一方のエコキュートは10~15年と長いのですが、ヒートポンプユニットの耐用年数は5~15年と使用頻度や扱い方によって差があるようです。
特に不備なく使用できればエコキュートの耐用年数が長くなります。
▼サイズの違い
設備 | 寸法(※1) | 寸法(※2) |
エコキュート | 677×867×332mm | 1810×600×680mm |
エコジョーズ(リンナイ) | 600×470×240mm | - |
エコジョーズ(ノーリツ) | 600×469×240mm | - |
※1)エコキュートはヒートポンプユニットの寸法
※2)エコキュートは貯湯タンクユニットの寸法
エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットがセットになっています。単体でもサイズが大きく、据え置きタイプのため設置場所の確保がひつようです。
それに対しエコジョーズは、サイズも小さく壁掛けタイプのため設置場所もコンパクトで済みます。
▼使用上の安全性
エコキュートの動力源が「電気」に対し、エコジョーズは「ガス+電気」になります。電気単体でも接触不良や漏電により火災リスクは拭いきれません。
しかし、エコジョーズのようなガス給湯器はガスに引火した際の被害が大きくなります。ガス漏れを起こしていると静電気でも引火しますし、漏電するなど不具合が重なれば甚大な被害に繋がるでしょう。
あくまで想定した危険性のため一概にどちらの方が安全とは言い切れませんが、エコキュートよりエコジョーズの方が災害リスクは高くなります。
▼天災時に有利なのは?
地震など天災時に役立つのはエコキュートです。エコキュートは貯湯タンクにお湯を溜めているため、天災で断水状態になった時でも残っている水を使うことができます。
一方、エコジョーズなどガス給湯器は貯湯タンクがないため、断水すると水が使えません。また水は供給されていても、ガス供給が停止すればお湯を使うこともできなくなります。動力源も「ガス」のため二次災害リスクも高いです。
天災時のライフライン供給停止した時を想定すると、エコキュートが有利と言えます。
【ガス給湯器からエコキュートに交換可能?】
ガス給湯器からエコキュートへの交換は可能です。ヒートポンプユニット、貯湯タンクユニットのサイズが大きいため設置スペースの確保は必要ですが、電源があれば問題ありません。
反対にエコキュートからガス給湯器への交換も可能ですが、自宅がオール電化の場合だとガスを敷地内に引く必要があります。その際にはガス配管工事費用が発生することを念頭に置いておきましょう。
【まとめ】
ここまでエコキュートとガス給湯器(エコジョーズ)を比較してきました。
エコキュートは初期費用こそ高いものの、ランニングコストは圧倒的に安くなります。ガス給湯器(エコジョーズ)は初期費用こそ安いですが、ランニングコストは高いです。そのため費用だけでの判断は難しいと言えます。
現代の日本ではいつ大きな地震など天災に見舞われるか分かりません。二次災害による住宅火災、断水時の水を確保できる点など、リスクを考慮するのであればエコキュートがおすすめです。
補助金が各自治体で出ているかもしれませんので、自治体HPを確認するといいことが書いてあるかも?
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